溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
ちょっと待ってくれ、『この前会った時は』ってことは、今回が久しぶりの再会ではないのか? 俺が知らないところで、環奈は先生とふたりっきりで会っていたのか?

戸惑う中、ふたりは話を続ける。

「言いたいことはちゃんと言えているのか?」

「……はい。彼がとっても素敵な人なので」

笑顔で言う環奈の髪を、先生はクシャッと撫でた。

「ったく、ノロケやがって。……でも最初聞いた時は驚いたぞ? まさか佐野の相手が佐々木だったなんて」

自分の名前が出て心臓が飛び跳ねる。

「俺だけじゃない、みんな驚いていたな。特に女子はだいぶ落胆していたぞ」

そう話す先生に環奈は苦笑い。

もしかして環奈、みんなに話したのか? 俺たちのことを。

環奈の性格から決して自分からは、みんなに言わないと思っていた。ましてやずっと好きだった先生に対しても。

環奈が内緒にしたいならそれでもいいと思っていたから、余計に嬉しい。

口元が緩み手で覆ったが、環奈はさらに耳を疑うようなことを言った。

「だって真太郎が来る前に言っておかないと、みんな真太郎のことを狙っちゃうじゃないですか」

――え? 環奈、今なんて言った?
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