溺愛診察室～一途な外科医に甘く迫られています～

毎月、色々な職業に就くイケメンをピックアップし、二ページ分使用して記事を掲載している。

女性読者を中心に人気を博しており、読者からあの人を記事に載せてほしいとタレコミがあるほど。

けれど残念なことにタレコミがない月もある。その時は私たちがSNSなどを活用して探すんだけど……。

「次回のイケメンはどうしましょうか？　連載が長くなってくると、イケメンのネタも尽きてきますよね」

頬杖をつき、うーんと唸る薫ちゃんの隣で笠井君も溜息交じりに言う。

「消防士、警察官、バス・タクシー運転手、ジムトレーナー、ショップ店員……。職業も被らないようにするには、そろそろ限界がありそうですよね。それこそタレコミがないとけっこうキツイですよ」

「そうだよね……」

それに取材交渉をしてくれた人全員が承諾してくれるわけではない。タウン誌といっても十万部以上刷っているし、顔が広く知れ渡ることになる。

そうなると取材を断る人も少なくない。

どうしようかと悩む中、突如薫ちゃんが閃いたようで、パッと目を輝かせた。