溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
「そうですか、残念。じゃあ今度行く時は声を掛けてくださいね! お見舞いとイケメン探しにご一緒しますから!」

「うん、わかったよ」

あぁ、そうだった。特集掲載のことも考えないといけない。そろそろ決めないと取材や写真撮影が間に合わなくなる。

やっぱり今日、行かないとだよね。

それにいつまでも逃げてばかりはいられない。……佐々木君の気持ちが変わらないか不安なのは私の勝手な思いで、彼は私に気持ちを伝えてくれた。

だったら佐々木君としっかり向き合わないと。

そうわかってはいるけれど、恋愛経験が乏しい私はその向き合い方さえもわからない。でもとにかく会わないと。

薫ちゃんには悪いけれど今日はひとりで行こう。そう心に決め、午後の勤務にあたった。



「……うん、いい感じ」

送られてきた校正データを見て、思わず声を漏らしてしまう。

この前撮った梅の花の写真も綺麗に写っているし、問題ないよね。あとは編集長に最終チェックをしてもらうだけだ。

一山超えてホッとし、両腕を上にグンと伸ばした。

珈琲でも飲んで休憩をしてから、他の作業にあたろうと席を立った時、外線に出た薫ちゃんに声を掛けられた。
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