溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
きっとなにか行き違いがあっただけだと思う。砂羽のことだから、勝手に突っ走っちゃったんじゃないの?

そんな考えが頭によぎる。

だったらここは親友として、一肌脱がないとだよね。

私の答えを待つ彼を安心させるように言った。



『環奈、ありがとうね。……それと迷惑かけちゃってごめん』

いつになくしおらしい砂羽に、誰もいない廊下で笑みが零れる。

「どういたしまして。無事に仲直りできたんでしょ?」

『……おかげさまで』

時刻は十七時半過ぎ。定時を三十分過ぎた頃に砂羽から電話がかかってきた。スマホを手にオフィスを後にして電話に出た。

旦那さんから電話をもらい、砂羽が家にいることを伝えた。そしてきっと砂羽も強がっているけれど、仲直りしたいと思っているということも。

家の住所を教えると、旦那さんは早引きして迎えに行くと言ってくれた。宣言通り砂羽を迎えに行ってくれたようだ。

『彼ね、私が外で働くことには反対していないけど、心配だったんだって。……自分の目が届かないところで、私に言い寄ってくる人がいないか。だから外で働いてほしくなかったみたい』
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