溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
だってあんな約束をされたら、誰だって忘れられないものじゃないの? 違うのかな。……なんとも思っていない人だったら、約束さえ忘れていた?

毎年桜の季節が近づくと佐々木君のことを想い、彼と過ごした高校時代を思い出していたのは、会わないうちにそれだけ私の中で佐々木君の存在が大きくなっていたから?

『とにかく会ってきなよ。……それで前向きに考えて。私は環奈と佐々木、鬼英愛だと思うし、うまくいくと断言してもいいよ』

「……もう、そんな無責任なこと言わないでよ」

『えー、本当のことだから。いいから頑張ってこい。それで遅い青春を取り戻せ!』

砂羽なりのエールに笑みが零れる。

「うん、ありがとう砂羽」

自分の気持ちはわからないけれど、それはきっと佐々木君に会って目を見て話しをすれば、わかる気がする。

電話を切った後、再び足を進めてオフィスへ向かい仕事を片づけて佐々木総合病院へと向かった。
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