恋華宮廷記〜堅物皇子は幼妻を寵愛する〜

じっとオウムを見つめる鳴鈴。その期待を裏切るように、オウムは首を小刻みに動かすだけで何も言わなかった。

「お前、俺を謀ったな!」

どうやら恥ずかしかったらしく、飛龍は怒って商人に詰め寄った。

「あららおかしいねー。お客さん声が小さかったからかな。もう一度大きな声で言ってみヨー」

「殿下、もう一度大きな声で。そして、はっきりと。私の目を見て……」

「言えるかっ!」

飛龍は怒鳴ると、ひとりで歩き出してしまう。

「あっ待ってよお客さん。奥さんにぴったりの子、いるヨ。奥さんみたいに小さくて可愛い子」

ぴたりと足を止めた飛龍が、ゆっくりと振り返る。鳴鈴は鳥かごの中にいる黄色の鳥のところに案内されていた。

「わあ、可愛い」

全体が黄色の鳥は手のひらくらいの大きさで、人間で言う頬の部分だけが淡い朱色に染まっている。まるで赤面しているように。

頭の上の毛が一部だけぴょこんと立っていて、それもまた愛嬌がある。

「この子たちも言葉覚えるヨ。個体差あるけどネ」

「へえ~」

目を輝かせて小鳥を見る鳴鈴。この子たちが自室にいてくれたらいいのになと思っていたら、飛龍が近づいてきた。

< 103 / 249 >

この作品をシェア

pagetop