恋華宮廷記〜堅物皇子は幼妻を寵愛する〜
じっとオウムを見つめる鳴鈴。その期待を裏切るように、オウムは首を小刻みに動かすだけで何も言わなかった。
「お前、俺を謀ったな!」
どうやら恥ずかしかったらしく、飛龍は怒って商人に詰め寄った。
「あららおかしいねー。お客さん声が小さかったからかな。もう一度大きな声で言ってみヨー」
「殿下、もう一度大きな声で。そして、はっきりと。私の目を見て……」
「言えるかっ!」
飛龍は怒鳴ると、ひとりで歩き出してしまう。
「あっ待ってよお客さん。奥さんにぴったりの子、いるヨ。奥さんみたいに小さくて可愛い子」
ぴたりと足を止めた飛龍が、ゆっくりと振り返る。鳴鈴は鳥かごの中にいる黄色の鳥のところに案内されていた。
「わあ、可愛い」
全体が黄色の鳥は手のひらくらいの大きさで、人間で言う頬の部分だけが淡い朱色に染まっている。まるで赤面しているように。
頭の上の毛が一部だけぴょこんと立っていて、それもまた愛嬌がある。
「この子たちも言葉覚えるヨ。個体差あるけどネ」
「へえ~」
目を輝かせて小鳥を見る鳴鈴。この子たちが自室にいてくれたらいいのになと思っていたら、飛龍が近づいてきた。