恋華宮廷記〜堅物皇子は幼妻を寵愛する〜
「お前があまりに可愛いから、失うのが怖かったんだ」
最近やっと聞くことができるようになった甘い声が鳴鈴の耳をくすぐる。額に口づけられ、余計に胸が高鳴る。
「さあ、おしゃべりはここまでにしよう」
甘い口づけが額から唇へと落ちてくる。鳴鈴が目を閉じると、飛龍の手が彼女の帯にかかった。
帯を緩められ、衣をはだけさせられる。零れた白く丸い膨らみを思わず隠そうとする鳴鈴の右手を、飛龍がつかんだ。
「綺麗だ」
一言だけ呟くと、若くみずみずしい素肌に飛龍の大きな手が触れた。
「あ……っ」
初めての感覚に、鳴鈴は抵抗する力を失った。しかし飛龍がその素肌に唇を触れさせようとした瞬間。
「星稜王殿下!」
部屋の外から、飛龍を呼ぶ声が聞こえてきた。飛龍はぴたりと動きを止める。
「殿下、呼ばれて……」
「黙っていろ」
聞こえないフリをし、飛龍は行為を続行しようとする。鳴鈴としては、すぐそこに誰かがいると思うと気が気ではない。
「星稜王殿下、皇城から火急の報が……!」
聞こえてくる遠慮のない大声が、今度こそ飛龍の動きを止めてしまった。小さく舌打ちをし、上体を起こした飛龍は不機嫌に怒鳴る。