恋華宮廷記〜堅物皇子は幼妻を寵愛する〜
と言いながら衣を自分で着ようとするが、箱入り娘の鳴鈴は帯ひとつ、満足に締められない。
ふわふわと浮いてはだけてしまう胸元が恥ずかしくて飛龍に背を向ける。
悪戦苦闘を続けていると、ふわりと背中から抱きしめられた。
「こんな姿を見せられて、俺の方が我慢の限界なんだが」
首筋にすり寄り、唇を這わせてくる飛龍。逃げられない鳴鈴は背中を震わせ、赤面するほかない。
「耳も首も真っ赤だ」
「で、殿下、早く出立の準備を……」
震える声で鳴鈴が言うと、飛龍は彼女を解放し、小さく笑った。
「仕方ない。非常に名残惜しいが、楽しみはもう少し先に取っておくことにしよう」
ほっとした鳴鈴の額に、飛龍はそっと口づけた。