恋華宮廷記〜堅物皇子は幼妻を寵愛する〜
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出された食事にも手をつけず、飛龍はただぼんやりとしていた。
馬仁という名前を必死に記憶の中から検索すると、彼は雪花の遠い親戚だったということを思い出した。
(助けられなかった……)
雪花も、彼女の父も、多くの梁家の人々を無残に殺されてしまった。
その時の光景が悪夢のようによみがえり、飛龍を襲う。吐き気をこらえ、くしゃくしゃと頭を掻いた。
(彼らが死んだのは、俺のせいだ)
それなのに自分はまだ、皇族として生きている。手を差し伸べられなかった馬仁が自分を憎むのは当然だろう。
出家するのもいいな、と飛龍は考えていた。
この世と縁を切り、もう誰も傷つけずに生きていけたら。
(しかし、鳴鈴はどうする?)
飛龍の過去を知っても、変わらずに尽くしてくれる鳴鈴のことを思うと、やはりそれはできない。
彼女はまだ処女妻。次の嫁ぎ先はいくらでもあるだろう。弟皇子に下賜するという手もある。
だが誰より飛龍の心がそれを拒否していた。鳴鈴を離したくはない。誰にもやりたくない。
現実逃避をやめ、飛龍はため息をついた。その時、部屋の戸が遠慮がちに叩かれた。