恋華宮廷記〜堅物皇子は幼妻を寵愛する〜
しんと静まり返る部屋。いつもうるさいくらいに話しかけてくる鳴鈴も、さすがに今日は何を言っていいのかわからないらしい。
飛龍は黙って箸を取り、冷めた食事を黙々と口に運んだ。その様子を見てほっとする鳴鈴を見て、飛龍もまた安堵する。
空になった膳を下げさせると、鳴鈴が遠慮がちに言った。
「あの……ご迷惑でなければ、床を共にさせていただきたいのですが」
外はもう真っ暗になっている。すでに今夜は皇城に泊まることになっていた。
飛龍としても、もう少し滞在して明らかにしたいことがある。
なぜ苦労してきたはずの梁家の生き残りが、上等な胡服を着ていたのか。鳴鈴を襲った時に持っていた金の短剣もだ。
ただの盗品だとすれば話は早いが、もしかするとどこかの貴族が彼らを支援し、人身売買に関与していた可能性もある。
一歩間違えたら、鳴鈴は誘拐されて異国に売られていたかもしれない。そう考えると、飛龍の腹にふつふつと怒りが湧いた。
だが鳴鈴の手前、それは隠すことにする。
「迷惑なものか」
手を伸ばして頬を撫でると、鳴鈴は頬を染めた。