恋華宮廷記〜堅物皇子は幼妻を寵愛する〜
「お前には関係ない」
「まさか、まだなのですか。ひどい、鬼だ。こんなに可愛い徐妃さまに失礼だ!」
ぷんぷんと怒りだす李翔を、鳴鈴がなだめる。
「あのう、魁斗王殿下。殿下はお怪我をされて……」
鳴鈴の言葉にうなずき、飛龍はぼそりと言った。
「抱きたくても抱けなかったんだ」
「そうそう……え」
思いがけない飛龍の言葉に、鳴鈴は赤面する。
「そうなのか!」
李翔が思い切り納得して手を打ったので、鳴鈴はますます恥ずかしくなってうつむいた。
「想いは通じ合っているのね、鳴鈴。よかった!」
心配していたらしい宇春が鳴鈴の肩を抱いて喜ぶ。
「では、俺に負けず、存分にのろけてください。さあ、さあ」
詰め寄る李翔の額を大きな手でつかみ、押し返す飛龍のこめかみにはくっきりと青筋が立っていた。
「お前には一切話さん」
「いいじゃないですか。じゃあ徐妃の好きなところを十あげて……」
「うるさい、黙れ! 鳴鈴に興味を持つな!」
そんなつもりじゃないのに、と李翔は笑った。飛龍は黙って、もくもくと食事に没頭していた。