恋華宮廷記〜堅物皇子は幼妻を寵愛する〜
「現場は警吏しか入れないようになっています」
「ならば主上に許可を申請する」
苛立ちを隠さずに飛龍は大股で歩き出す。
「殿下、お待ちください」
鳴鈴は必死でそのあとを追いかけた。
もし李翔や宇春が言っていたことが本当だとして、皇太子が自分に都合の悪い情報を持った馬仁を、故意に殺そうとした可能性もある。
「こうなったのは長兄の不手際だ。責任をとってもらう代わりに俺に調査する権利を譲ってもらう」
「そんなことをしてはいけません。恨みを買います」
馬仁を死なせてしまった皇太子の不手際を追及するようなことをすれば、また理不尽な恨みを買ってしまう。
やっと捕まえた飛龍の腕に鳴鈴がしがみつく。彼はようやく動きを止めた。
「恨みを恐れていては、真実は明らかにならない。でも、周りの者を守ることはできます」
「しかし、それでは……」
言いかけ、飛龍は何かを噛み殺すように口を閉ざした。そのとき。