恋華宮廷記〜堅物皇子は幼妻を寵愛する〜

「二兄、聞いたか!?」

廊下の先から李翔が駆け寄ってきた。

「馬仁のことか」

飛龍が応じると、李翔は首を横に振った。

「それもだけど、もっと大変なことが起きている。なんと、萩軍が西端の城を狙って行軍してきているそうだ」

恐ろしい李翔の言葉に、鳴鈴は息を飲む。

宿鵬と飛龍が同時に出陣し、飛龍だけが武勲を立てたのが、十年前の萩との戦だった。

(こんなときに……)

同じことを思ったのか、飛龍は忌々しげに舌打ちをした。

緊迫した顔を見合わせる彼らの元に、宦官がやってきた。案内されるまま、彼らは再び大極宮へと向かった。

< 181 / 249 >

この作品をシェア

pagetop