恋華宮廷記〜堅物皇子は幼妻を寵愛する〜

「彼は、何の情報も得られないまま、尋問中の罪人を死なせてしまいました。その調査と後始末をしなくてはなりません」

「母上」

初めて皇太子が表情を動かした。眉を吊り上げ、皇后を睨む。

「そして、国内に梁家の生き残りがいないか。それも確認しなくてはなりません」

皇后の言葉に、それまで無表情を保っていた飛龍の眉がぴくりと動いた。

「そうか、その問題もあった」

「ではその調査の方に、私が参りましょう。梁家のことは、私に関わりのあることですから」

納得する皇帝に続き、飛龍がすかさず言った。しかし、武皇后が決然として言い放つ。

「いいえ、自分の後始末は自分でつけさせなければ」

まるで小さな子供に対する言葉のようだったが、それに反論するものはいなかった。

皇太子本人もぎゅっと唇を噛み、黙ってしまう。

「ではやはり、適任者は飛龍しかいないか。李翔は勢いがあるが、今回のような任務には向いていない。飛龍よ、なるべく早く出立せよ」

皇帝が下した決断に、李翔は遠慮なく不満を顔に出した。鳴鈴も、李翔が行けばいいとは思わなかったが、飛龍が任命されたことに衝撃を隠しきれない。

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