恋華宮廷記〜堅物皇子は幼妻を寵愛する〜
「ふたりとも廃位され、出家したと。なるほど、世間を捨てるということはこの世で死ぬと同義だからな」
処分されたのは皇后と皇太子、そして皇后に手を貸したものたちだ。身分の低い者たちは、辛い懲役を科せられた。
「皇太子殿下は有能な方でしたのに……」
残念そうに言う鳴鈴に飛龍はうなずく。
「立派だったが、肝心なところで皇后を止められなかったからな。命があるだけよかっただろう」
手紙にはまだ続きがあるようだった。
鳴鈴が飛龍にぴったりと寄り添い、次の言葉を待っていると……。
「何だと!?」
「ぴええっ」
突然飛龍が地鳴りのような声で叫んだので、鳴鈴はびっくりして庭に転げ落ちそうになった。
「ど、どうしたのです」
見上げた飛龍の手紙を持つ手が、小刻みに震えていた。
「主上……あのお方は、何を考えているのか!」
飛龍は手紙を廊下に叩き付け、自室に入ってしまう。
「あわわ、畏れ多い……」
こんなところを他人に見られたら、謀反人だと思われてしまう。
鳴鈴は急いで手紙を拾い、綺麗に畳みなおそうとした。ついでに手紙のその先を、自分で読む。