恋華宮廷記〜堅物皇子は幼妻を寵愛する〜
見るたびに綺麗になり、艶が増し、今までより強い色気が漂い始めているように感じる。
しかも皇子を名前呼び。これはよほど仲が良くないとできない。
(きっと、旦那さまに本当に愛されているのね)
周りを見れば美しい女性ばかりで、鳴鈴は密かに気が滅入る。
皇子たちは例のごとく、男ばかりで固まって、見えないところでのんびりしているようだ。
宇春と庭に出て、桃の花を眺めながら話をしていると、近くを皇太子の正妃である楊氏が通りかかった。慌てて頭を下げて挨拶すると、楊太子妃は団扇で口元を隠して微笑む。
「あら、新婚の花嫁さんたち。鄭妃、あなたのお話は李翔さまからうかがっているわ。とても仲睦まじくしているそうね。何よりだわ」
「はい、ありがとうございます」
次に楊太子妃は恭しく頭を下げる宇春の横の鳴鈴に向かった。
「徐妃、あなたはいつまでも少女のようね。清らかなままで羨ましいわ」
その言葉に、楊太子妃を取り巻いていた女官がくすくすと笑った。鳴鈴はかっと頬が熱くなる。
羨ましいと言いながら、子供っぽいと馬鹿にされたことはお人よしな鳴鈴でもわかる。
飛龍がうっかり、鳴鈴と共寝したのは初夜だけ(しかも一緒に寝ただけ)と皇太子の前で漏らし、太子妃まで伝わってしまったのだろう。