恋華宮廷記〜堅物皇子は幼妻を寵愛する〜
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宮殿の中の一室で、皇子たちは酒を飲んでいた。開け放たれた窓からは美しく咲き誇る花々と、花神に扮した妃たちとその女官が見えた。
妃たちも疲れた者は宮殿内で休んでいるようである。
「いやあ、結婚っていいものですね」
先月結婚したばかりの第三皇子・李翔ののろけが炸裂する。その場にいた皇太子、飛龍、第五・第六皇子は苦笑した。今日何度、同じ話を聞かされたかわからないからだ。
「俺は未婚の頃の方が気楽で良かったよ」
「それは兄上が立太子されたからです」
皇太子は多くの子供を残さなければならず、正妃だけでなく側妃も娶らなければならない。半ば強制的にだ。
寵姫を持てば、後宮は女たちの嫉妬で荒れる。持たなければ持たないで、正妃側妃入り乱れての仁義なき皇后の座争いが巻き起こる。
自分が産んだ子を未来の皇太子にするため、他人の子を平気で流産させたり殺そうとする事件がいつの時代もあとを立たない。
皇帝や皇太子はなるべく後宮を穏便に保つため、平等に妃たちを渡り歩き、気を使わねばならない。そんな宮廷生活が気楽なわけはない。