恋華宮廷記〜堅物皇子は幼妻を寵愛する〜
「問題なんてない。ああ見えて年相応の常識はあるし、性格は明るいし、意外に打たれ強い。暴走そり事件はビックリしたが……」
飛龍が二月の話をすると、弟たちは眉をひそめた。
「意外とお転婆なんですね」
「でも、明るいならいいじゃないですか。見た目も可愛らしいし。なぜまだ……」
第五皇子、第六皇子が話しているところに李翔が割り込む。
「ちゃんとしないと、愛人を作られますよ、兄上。それでいいんですか。自分の子孫を残したいと思わないのですか」
だいぶ酒を飲んだのか、詰め寄ってきた李翔の口から独特のにおいがして飛龍は背後の窓際へ座ったまま後ずさった。
緑礼が鳴鈴の臥所にいたとき、少し苛立ったし、彼女が女性と知った時に安堵したことはしっかり覚えている。
他の男が鳴鈴に触れるのを想像すると、やはり苛立つ。
「もう少し、あっちが大人になったらな」
苦し紛れの言い訳に、李翔がツッコむ。
「俺の宇春は徐妃と同い年ですよ。彼女だってもう十九になるのでしょう。じゅうぶん大人だ」
「あ、ああ、そうか」
「そうか、じゃありません。妃を娶ったなら、ちゃんと愛してあげるべきです。徐妃が可哀想じゃないですか!」
燃え上がる李翔を、皇太子が「まあまあ」となだめた。