失礼ですが、強い女はお嫌いですか?

『あなた達、生きてる?』


それは、あまりにも的確で、ざっくりとした台詞だったと思う。
実際、両親はエデリの情報を聞き込みにその場を離れていて、残されていたのは荷物番をしていたリリエラとジョナスだけ。

それも、二人とも長旅による疲労と空腹で倒れ込んでいた。
荷物番もあったもんじゃない。まぁ、貴重品など持ち合わせていないのだが。

今では立派に自警団で活躍しているジョナスも、当時は十二歳。元騎士である母から剣術など戦う術は習っていたが、体力面は年相応。
倒れ込んでいても可笑しくはない。ジョナスは当時のことをアイリスにからかわれるたび、嫌な顔をする。

そんなわけで、ぐったりと倒れ込んでいた姉弟に持っていた食料を恵んでくれたのがアイリスとの出会いであった。

それから、家を見つけ、父が働きだし、リリエラ達の生活が安定していくのだが、その間もアイリスは何かとリリエラを気にかけてくれた。
リリエラの仕事先を紹介してくれたのもアイリスだ。

お礼と言ってはなんだが、アイリスが店を始める時はジョナスと共に大いに手伝った。
まだまだ恩返しはできていない気もするが、アイリスとの出会いがあって、セイレーンとの出会いに繋がり、今がある。
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