失礼ですが、強い女はお嫌いですか?
「相談屋をしたいって言ったときも、アイリスが一番にのってくれたっけ……」
一度全てを失ったリリエラも、今では大切なものがたくさん増えた。
貴族時代とは少し違う。
お金では買えないものばかりだ。有形、無形、様々である。
決して貴族時代が最悪だったとは思っていない。あの時は本当に恵まれていたとリリエラは今でも思う。
けれど、令嬢であった頃には経験できないであろうことを経験し、価値観も変わった。
今の生活も気に入っている。
その証拠に、こんなに狭く寒い部屋で夜を過ごそうとしているのに、わくわくすらしているのだ。
窓からの光が弱くなってきている。
リリエラはランプを取り出し、蝋燭に明かりを灯した。
ぼんやりと淡い光が部屋を照らし出す。
ベッドに腰掛け、その光を眺めていると、突如ふわりと影が揺れた。