失礼ですが、強い女はお嫌いですか?

「……理由はこの際どうでもいいわ。申し訳ないけれど、お帰りいただけますか?」


リリエラは表情を引き締め、努めて冷静な声を出す。
レオネルの考えはわからないが、リリエラにとっては、現在レオネルがこの部屋にいること事態が大変不味いことなのだ。

しかし、レオネルからは出ていく様子が見られなかった。
リリエラの口元が僅かに歪む。リリエラは心の中でレオネルに文句をぶつけた。

口にしないのは、昔馴染みとはいえ、今は公爵家の跡取りと平民という関係であるからだ。
だが、このままにはしていられない。リリエラにも譲れない事情がある。


「女性が一人で暮らす部屋に居座るなんて、非常識ではありませんか?」


畳み掛けるリリエラにレオネルはふんっと鼻をならす。


「ここに暮らしているわけじゃないだろう?」


リリエラの心臓がドクリと跳ねた。
レオネルが何を知っているのかはわからないが、少なくとも、このアパートがリリエラの家ではないことを知っているらしい。

事実、このアパートはとある目的で使用するため、アイリスが見つけてきた物件だった。
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