失礼ですが、強い女はお嫌いですか?
睨みあったままの二人の間に、暫しの沈黙が流れる。
見上げなければ合わない青い瞳に譲る気配はなさそうだ。
どちらかと言えば、呆れにも似た感情がレオネルから漂っていた。
リリエラは大きく息を吐き出すと、観念したかのように、乱暴にベッドへ腰掛ける。
ギシギシと錆び付いたスプリングの音が部屋に響いた。
伏せられた顔は長い金色の髪に隠れ、レオネルから表情を伺い知ることができないが、リリエラは明らかに不機嫌そうだ。
「ーーずいぶんと探した。突然屋敷を出たと思ったら、連絡一つよこさない。ゼルクス様も、師匠も……お前も。少し冷たくないか?」
リリエラからの返答はない。
レオネルはふぅと小さく息を吐いた。
「リリエラ」
それは先程までの勢いが抜け落ちた、力のない呼び掛けだった。
リリエラの肩がビクリと震える。
「俺はみんながーー」
「ごめん、レオネル。もう帰って」
絞り出すような声だった。
レオネルは思わず顔を歪める。