失礼ですが、強い女はお嫌いですか?
三人は女性を対象にした『なんでも相談屋』をしている。発起人はリリエラだ。
リリエラ達の住むソメリオ王国は奴隷こそいないものの、貴族や平民など地位による差があり、また、貴族社会も未だ男性が優位にある。
今でこそ爵位を女性も継げるようになり、少しずつ働く女性が増え始め、女性の権限が認められるようになってはいるが、まだまだ女性には厳しい世界だ。
困っていても声をあげられない。相談できない。
そんな女性が多いことを知ったリリエラは、友人であるアイリスとセイレーンに声をかけ、女性の相談事を聞く『相談屋』を始めた。
バーを経営しているアイリスはその美貌と話術、そして人脈の広さから情報収集を担当している。
二十二歳と若いが、幼い頃に両親を亡くしてから一人で懸命に生き抜いてきた心の強い女性だ。
セイレーンは鉄加工の工房を父と二人で切り盛りしている、リリエラと同い年の二十歳。
性格は大人しく、優しいが、時々やけに冷めきったことを言う子である。
リリエラとは父親同士が知り合いということから出会った。手先が器用で頭も良く、依頼遂行の際に使う色々な道具を作り出してくれる。
二人はリリエラにとって良き友人であり、相棒だ。
リリエラの主な役割は、依頼内容を調査すること。内容によっては、建物に忍び込んだりと危険なこともしている。
では、そんなリリエラはどんな人物かと言うと……