サーペンディス 天秤に架けられた少女
「これが昨日の夕方、ポストに入ってた。明日の朝、俺のいとこ、つまりあんたがこの送り主の娘を連れてくるからしばらく預かってほしいんだと」
私は手紙の封筒を見た。ひっくり返すと、
『あなたの親友 エリス』
と、書いてある。
あの子を見ると湯気の出る紅茶を啜っている。猫舌ではないみたい。
私はイーグレットに目配せすると頷いたので、体をあの子に寄せて、手紙を声に出して読み始めた。