サーペンディス 天秤に架けられた少女


「ねぇねぇレオナさん」
 彼女は春野菜のパスタをフォークに巻きつけて、口に入れながら目だけをこちらに向けて、
「ん?」
 今日はレオナさんの(たまに)行くレストランへ外食。『パスタが結構おいしいのよ』と連れてきてくれた。静かな音楽の下、周りのお客さんとかレストランの雰囲気にちょっと緊張してる。
「イーグレットって何か隠してることある?あまり教えられないこととか、悩みとか…」
 口に入れてあるパスタを食べてから、
「そりゃああいつだし、いろいろあるでしょ。それに人間だって魔法使いだって動物だって、生きてるんだから何かしらの悩みや心配事だってあるもんよ。今のあんたには分からなくなってしまったことだけど、そのうち分かるわよ」
「うん…」
 フォークにさしたベーコンを口に入れる。
「あんまり食べてないじゃない。成長期なんだから食べないと身長伸びないわよ」
 フォークを置くと椅子にもたれ掛かった。
「―――何か気になっちゃってさ」
 レオナさんはコンソメスープを一口飲んで、
「アイツとはいとこでたまに家に遊びに行ったりもしたけど、そうねぇ―――小さい頃は少し暗かったな―――でも両親が学生時代に死んで、元々友達も少なかったらしいから少しウツになったな」


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