未完成のユメミヅキ
「なにこれ、ゲリラ豪雨ってやつかな」
「ざっと降って止むタイプならいいんだけど。ふたりとも、傘は?」
和泉くんが窓の外を見ていった。
「持ってません」
「じゃあ、止むまでちょっといたらいいんじゃない?」
レジにいた叔母さんがこちらに来て「そうしなさい」と言ってくれた。
買い物客が帰ったあと、店内の客はわたしと亜弥しかいない。
「ふたりとも、お名前は?」
気さくに話しかけてくれる叔母さんに、自分達の名前を告げる。
「麻文ちゃんに、亜弥ちゃんね。わたしはスズコっていいます。涼に子供の子」
「涼子(すずこ)さん」
「おかわりあげるわね。麻文ちゃんがカフェオレ?」
涼子さんがふたつのカップを持っていこうとする。
「あ、あの」
「いいから、飲んで。和泉のお友達なら、内緒のサービスしちゃう」
人差し指を口に当ててそう言ってくれた。
ああ、ちょっと目元が和泉くんに似ているような気がする。きゅっと細めた目の感じが優しくて。
涼子さんはカフェオレとコーヒーのおかわりを持ってきてくれて、また奥へ行った。
和泉くんはテーブルを拭いたり、入口に傘立てを出したりと、真面目に働いている。
学校で見る制服姿と、バイト姿。どっちも素敵だなぁと思う。じっと見ていたいけれど、そうもいかないので欲望はじっと我慢することにする。
なんだかわたし達がのんびりお茶を飲んでいるのが申し訳ない感じがしてしまうほど、和泉くんは一生懸命だ。
親戚のお店でバイトをしていることは、バスケを辞めたということと関係しているのだろうか。だって、運動部をしながらバイトって大変だし現実的じゃないと思うから。
亜弥が、携帯を見て「午後から降水確率40%」と言った。40%って微妙な数値。季節的なものもあるから、突然降り出すこともあるのは分かる。でも、参ったな。
「このまま降り続くのかなぁ。なんだか止みそうにないよね」
「困ったなー」
「帰り、遅くなっちゃうよね。華道の先生、遅刻にうるさいんじゃなかったっけ?」
そう言うと、亜弥は困ったように指でこめかみグリグリと揉んだ。
「そうなんだよね」
「ざっと降って止むタイプならいいんだけど。ふたりとも、傘は?」
和泉くんが窓の外を見ていった。
「持ってません」
「じゃあ、止むまでちょっといたらいいんじゃない?」
レジにいた叔母さんがこちらに来て「そうしなさい」と言ってくれた。
買い物客が帰ったあと、店内の客はわたしと亜弥しかいない。
「ふたりとも、お名前は?」
気さくに話しかけてくれる叔母さんに、自分達の名前を告げる。
「麻文ちゃんに、亜弥ちゃんね。わたしはスズコっていいます。涼に子供の子」
「涼子(すずこ)さん」
「おかわりあげるわね。麻文ちゃんがカフェオレ?」
涼子さんがふたつのカップを持っていこうとする。
「あ、あの」
「いいから、飲んで。和泉のお友達なら、内緒のサービスしちゃう」
人差し指を口に当ててそう言ってくれた。
ああ、ちょっと目元が和泉くんに似ているような気がする。きゅっと細めた目の感じが優しくて。
涼子さんはカフェオレとコーヒーのおかわりを持ってきてくれて、また奥へ行った。
和泉くんはテーブルを拭いたり、入口に傘立てを出したりと、真面目に働いている。
学校で見る制服姿と、バイト姿。どっちも素敵だなぁと思う。じっと見ていたいけれど、そうもいかないので欲望はじっと我慢することにする。
なんだかわたし達がのんびりお茶を飲んでいるのが申し訳ない感じがしてしまうほど、和泉くんは一生懸命だ。
親戚のお店でバイトをしていることは、バスケを辞めたということと関係しているのだろうか。だって、運動部をしながらバイトって大変だし現実的じゃないと思うから。
亜弥が、携帯を見て「午後から降水確率40%」と言った。40%って微妙な数値。季節的なものもあるから、突然降り出すこともあるのは分かる。でも、参ったな。
「このまま降り続くのかなぁ。なんだか止みそうにないよね」
「困ったなー」
「帰り、遅くなっちゃうよね。華道の先生、遅刻にうるさいんじゃなかったっけ?」
そう言うと、亜弥は困ったように指でこめかみグリグリと揉んだ。
「そうなんだよね」