一匹狼くん、拾いました。



漆黒の瞳は、ほんの微かに寂しさを放っている気がした。



「この家は、2人の遺産で賄われている。僕を養うために遺産をわざわざ残す暇があったんだら、会社の警戒をもっと厳重にしとけよって言いたいけどね。……だって死んだんだから」





冷めた口調で、緋也は乱暴に言い放った。



こいつ……本当はすげー寂しいんじゃないか?





寂しいから、わざわざ人のこと鉄パイプとか使ってまでいじめて、構ってもらおうとしてるのか……?







「……不器用」


俺は緋也を見つめ、口を尖らせていった。





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