王子は冒険者になる!
*
フランチェスコ王子は、どうやらいろんなことに興味があるようだ。
「へぇ。ジゼっていろんなところ回ってたの?」
「はい。隣国のガーネリアン王国や、
海の向こうのレッサァ帝国・・・
あぁ、魔人の国とか・・まぁ、いろいろ・・・ですね。」
仕事の任務で潜入したり とかだけどな。
「マジか!すっげ・・・っと。
本当か。すごいな。話を聞かせてくれ。」
「はい。えぇと、では・・・」
ちらり、と後ろに控えている侍女のリィアを見て
丁寧に言い直した王子。
フランチェスコ王子は、リィアに弱い。
いろんな国の話を楽しそうに聞くフランチェスコ王子。
どうやら、ドラゴンやファルコンに会いたいらしい。
聖山や、魔の国の深部に行かないとあえないからな・・・。
そうしているうちに、
フランチェスコ王子に外交と視察の公務がきた。
本来だったら アレッサンド王子に、だったが
どうやら学園が少し忙しいらしい。
「今回の視察は、フランチェスコ王子としては単独では初めてですから
少し安全を考えてルートを作成いたしています。
あと、アレッサンド第一王子からのよろしく頼むとの伝言を
警護騎士経由で承っています。
あとは期間が短いすから・・・王子?」
ちらり、と王子を見る。
じっと資料を見ている。
「ですから、今回の視察では、
って、聞いてらっしゃいます?」
「はい、はい。はーいっ。聞いてる。」
「・・・返事は、はい。だけでお願いします。」
「わかった。」
にっこり。
あ。出たよ。「王子様スマイル」
きらり、と 綺麗に彼を彩る。
ってか、この笑顔のときって
誤魔化そうとしているか、なにか 変なことを考えているか
なんだよな。
思わず、顔を一瞬しかめる。
「ジゼ。コレあと二部、持ってきて。」
「はい。フランチェスコ王子。
なにをなさるおつもりで?」
「まぁ、確認、かな?」
何を、する気だろう。
はい。と 言いながら フランチェスコ王子に
盗聴の術をこっそりかける。
ちらっと 周りを振り返るが
誰にも気が付かれていないだろう。
静かに 扉の外に出る。
「---風よ」
ふわり、と耳元で盗聴の術を発動させる。
ジジッ---ジ―――――から、
騎士タイラー・・・・俺を信じて・・・できるか?
ん?何か話してるけど、ノイズが・・・
結界か?何かに阻まれてるな。
えぇと、久しぶりにやるけど操作できるかな。
強化の陣 「漂う風よ。我に振り向け。」
ぼそりと つぶやく。
がんっ と頭を殴られたような感覚。魔力をごっそり持って行かれる。
うわ。マジか。
絶対これ、騎士ビラットあたりが結界張っただろ。あんにゃろ。
ーーー今度の・・・--た、視察があるだろ?
個人的に行きたいところがあるんだ。
抜け出したい。
協力、出来るか?僕のーーー『幻影』で皆を誤魔化してほしいんだ。
ーー・・・っ!!フランチェスコ王子・・それは・・・
やっと聞こえてきた。ってか、王子、抜け出したいのか。
オレに相談してくれりゃぁ、すぐに城下へと連れ出すのに。
ってかダメか。一応、王子には オレ、つめたい印象だしな。
ーー王子、なぜ、私に?
ーーあぁ、そりゃぁ、いちばん騎士タイラーが城下町に詳しそうだし、
なにより真面目だが、固くない。
まぁ、騎士ビラットは『責任』が重いだろうし、
ジゼはまだ僕に付いたばかりだ。
タイラーは幻影の術って・・・使えるのか?
へぇ。いいところに目を付けたな。
騎士タイラーは幻影どころか、幻覚まで使えるし蜃気楼まで
お手の物の操作系のレベルは高いぞ。
暗部から引き抜きをかけたいが 本人が素直すぎて諜報には向かない。
人懐っこすぎる。って言ってたんだよな。
まぁ、たまに 町の話題や流行の調査のために 仕事をお願いしている
って言ってたな。
さて、
王子の魂胆もわかったことだし、
それに向けて、全面的に 裏から手を回わすか。
部屋に戻ると、がちぃーーん。と結界に阻まれた。
ほらぁ。やっぱり騎士ビラットの結界じゃん。
ってか、どんだけ強情に作っているんだよ。コレ。
「ふ。守っているのか、
閉じ込めているのか、わからんな。
騎士ビラットは相変わらず「過保護」だな。」
フランチェスコ王子が 少し呆れたようにつぶやいて
笑った。
同感だな。まるで檻だなぁ。
でも、それぐらいがちょうどいいな。
騎士タイラーが 扉の結界を解除している間、少し違和感を感じる。
はぁ。と少しため息をついて、廊下に飾られている花の花瓶のなかから
透視タイプの魔石を 取り出す。
あーあった、あった。 誰だよ。除き趣味かよ。よいしょっと魔力を反転。
っ・・・くそ。
さっき 魔力使ったの忘れてた。
ギリギリのところで 魔石を破壊してから
ふらつく足を誤魔化しながら 部屋へと入った。
さて、フランチェスコ王子を『守る』か。
フランチェスコ王子は、どうやらいろんなことに興味があるようだ。
「へぇ。ジゼっていろんなところ回ってたの?」
「はい。隣国のガーネリアン王国や、
海の向こうのレッサァ帝国・・・
あぁ、魔人の国とか・・まぁ、いろいろ・・・ですね。」
仕事の任務で潜入したり とかだけどな。
「マジか!すっげ・・・っと。
本当か。すごいな。話を聞かせてくれ。」
「はい。えぇと、では・・・」
ちらり、と後ろに控えている侍女のリィアを見て
丁寧に言い直した王子。
フランチェスコ王子は、リィアに弱い。
いろんな国の話を楽しそうに聞くフランチェスコ王子。
どうやら、ドラゴンやファルコンに会いたいらしい。
聖山や、魔の国の深部に行かないとあえないからな・・・。
そうしているうちに、
フランチェスコ王子に外交と視察の公務がきた。
本来だったら アレッサンド王子に、だったが
どうやら学園が少し忙しいらしい。
「今回の視察は、フランチェスコ王子としては単独では初めてですから
少し安全を考えてルートを作成いたしています。
あと、アレッサンド第一王子からのよろしく頼むとの伝言を
警護騎士経由で承っています。
あとは期間が短いすから・・・王子?」
ちらり、と王子を見る。
じっと資料を見ている。
「ですから、今回の視察では、
って、聞いてらっしゃいます?」
「はい、はい。はーいっ。聞いてる。」
「・・・返事は、はい。だけでお願いします。」
「わかった。」
にっこり。
あ。出たよ。「王子様スマイル」
きらり、と 綺麗に彼を彩る。
ってか、この笑顔のときって
誤魔化そうとしているか、なにか 変なことを考えているか
なんだよな。
思わず、顔を一瞬しかめる。
「ジゼ。コレあと二部、持ってきて。」
「はい。フランチェスコ王子。
なにをなさるおつもりで?」
「まぁ、確認、かな?」
何を、する気だろう。
はい。と 言いながら フランチェスコ王子に
盗聴の術をこっそりかける。
ちらっと 周りを振り返るが
誰にも気が付かれていないだろう。
静かに 扉の外に出る。
「---風よ」
ふわり、と耳元で盗聴の術を発動させる。
ジジッ---ジ―――――から、
騎士タイラー・・・・俺を信じて・・・できるか?
ん?何か話してるけど、ノイズが・・・
結界か?何かに阻まれてるな。
えぇと、久しぶりにやるけど操作できるかな。
強化の陣 「漂う風よ。我に振り向け。」
ぼそりと つぶやく。
がんっ と頭を殴られたような感覚。魔力をごっそり持って行かれる。
うわ。マジか。
絶対これ、騎士ビラットあたりが結界張っただろ。あんにゃろ。
ーーー今度の・・・--た、視察があるだろ?
個人的に行きたいところがあるんだ。
抜け出したい。
協力、出来るか?僕のーーー『幻影』で皆を誤魔化してほしいんだ。
ーー・・・っ!!フランチェスコ王子・・それは・・・
やっと聞こえてきた。ってか、王子、抜け出したいのか。
オレに相談してくれりゃぁ、すぐに城下へと連れ出すのに。
ってかダメか。一応、王子には オレ、つめたい印象だしな。
ーー王子、なぜ、私に?
ーーあぁ、そりゃぁ、いちばん騎士タイラーが城下町に詳しそうだし、
なにより真面目だが、固くない。
まぁ、騎士ビラットは『責任』が重いだろうし、
ジゼはまだ僕に付いたばかりだ。
タイラーは幻影の術って・・・使えるのか?
へぇ。いいところに目を付けたな。
騎士タイラーは幻影どころか、幻覚まで使えるし蜃気楼まで
お手の物の操作系のレベルは高いぞ。
暗部から引き抜きをかけたいが 本人が素直すぎて諜報には向かない。
人懐っこすぎる。って言ってたんだよな。
まぁ、たまに 町の話題や流行の調査のために 仕事をお願いしている
って言ってたな。
さて、
王子の魂胆もわかったことだし、
それに向けて、全面的に 裏から手を回わすか。
部屋に戻ると、がちぃーーん。と結界に阻まれた。
ほらぁ。やっぱり騎士ビラットの結界じゃん。
ってか、どんだけ強情に作っているんだよ。コレ。
「ふ。守っているのか、
閉じ込めているのか、わからんな。
騎士ビラットは相変わらず「過保護」だな。」
フランチェスコ王子が 少し呆れたようにつぶやいて
笑った。
同感だな。まるで檻だなぁ。
でも、それぐらいがちょうどいいな。
騎士タイラーが 扉の結界を解除している間、少し違和感を感じる。
はぁ。と少しため息をついて、廊下に飾られている花の花瓶のなかから
透視タイプの魔石を 取り出す。
あーあった、あった。 誰だよ。除き趣味かよ。よいしょっと魔力を反転。
っ・・・くそ。
さっき 魔力使ったの忘れてた。
ギリギリのところで 魔石を破壊してから
ふらつく足を誤魔化しながら 部屋へと入った。
さて、フランチェスコ王子を『守る』か。