隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
彼の手に触れた瞬間、勢いよく手を引かれドアの閉まる音がした。
彼の香りがして顔を上げると、視界には彼の部屋が広がっている。
そのまま手を引かれ、辿り着いたのはリビングにあるソファー。
「、、座って。今コーヒー入れるから。」
圭くんはそう言うと、リビング奥のキッチンへと姿を消してしまった。
初めての彼の部屋に、ついきょろきょろと辺りを見回してしまう。
男性の部屋とは思えないくらいに綺麗に整理整頓されたリビング。
家具はシンプルなデザインが多く物は少ない。
壁際にある本棚には仕事関係の本がビッシリと並んでいて、それが何だか圭くんらしいなと思った。