隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
「、、そうね。貴方の言う通り。また日を改めるわ。お騒がわせして悪かったわ。またね?西村 晶帆さん。」
カツカツとヒールの音が遠ざかっていくのがわかって、顔を上げると女性の美しい後ろ姿が見えた。
本当に綺麗な人。
彼の隣が似合うのはあんな女性だ。
彼に本命がいると先程まで知らなかったとは言え、莉子ちゃんには悪いことをしてしまった。
今度、莉子ちゃんに謝らなければとボンヤリ考えていると、膝がガクガクと震え始めた。
自分で思っていたよりも、かなり気を張っていたようだ。
女性の姿が見えなくなると急に足に力が入らなくなってしまって受付のカウンターに体を持たれかけた。
「先輩っ、、!大丈夫ですか?!」
「うん、大丈夫だよ。ちょっと気が抜けちゃって、、、大口のお客様だったから緊張しちゃったよ。いい歳して情けないなぁ〜。」