隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
「そうだよ?まぁ個人差はあるだろうけどね。俺は比較的に感情は抑えられる方だけど、そうじゃない奴も多いよ。そんな奴は相手を傷つけちゃう事も、、、ね?男は口下手だから誤解しちゃうかもしれないけどさ。」
そういう言って光さんは私の手首に視線を落とした。
大分薄くなってはきたものの、不自然な位置にあるその痕に光さんは誰が付けたものか分かっているような気がした。
「そう、、なんでしょうか。恋愛経験値がなさ過ぎてどうするのが正解だったのか今でもよく分かりません。」
手首の痕を見つめながらあの日の事を思い出していた。
あからさまに何かに怒っていた彼。
もし光さんの言う通りの理由だったのなら、私が聞き分け良かったのが原因だった、、?
まるで関心がないように振る舞った事が、逆に彼を傷つけてしまっていたのだろうか。