隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜


でもそんなの彼には当てはまらない筈だ。

光さんが言ったのは、あくまでも好きな相手への行動の話だ。



ちゃんと頭では理解しているのに、最後に見た彼の切ない表情が浮かんで途端に顔が熱を帯びる。

勘違いしちゃいけないのに、彼が私の事を好きでいてくれているような、、そんなあり得ない勘違いをしてしまいそうになってしまう。







「本当、圭の事になるといい表情するね?何か思い当たる節でもあったのかな。アイツの想いを代弁することはできないけど、俺が知る限り3年間も側に置いていてのは晶帆が初めてだ。大概の子とは1・2ヶ月持つかどうか。1番長い子でも半年だったかな。途中からは一夜限りの関係だったり真剣に交際している子はいなかったね。」



彼の交際歴を聞いて驚いていると、光さんは可笑しそうに言葉を続けた。




「それにアイツは晶帆が思っているような優しい男でも無いし、お人好しでもないしね。泣きついてくる女の子を、平気で切り捨てるような残酷な男だよ。」


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