隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
私の甘えに気付いて受け止めてくれた光さんは目を細めて微笑んだ。
「、、ありがとうございます。」
ホッとしてその景色を見ていると、怒涛の数日間を過ごしていたせいか急に眠気が襲う。
ウトウトとしてしまっている私に気付いた光さんが、信号待ちになると後部座席からブランケットを取り出し優しく掛けてくれた。
「着いたら起こすからゆっくりお休み。」
「でも、、、。」
光さんだって仕事で疲れているのに、そんな光さんを差し置いて休む事に躊躇しているとブランケットを顔まで掛けられた。
「俺の事は気にしなくていい。少し寄りたい所もあるから長くなるだろうし、寝てくれると助かるよ。これなら寝顔も見えないからヨダレ垂らしてくれてもいいからさ?」
ブランケットの肌触りと最後にワザと戯けてくれた光さんが優しくて涙が出そうになった。
「すみません、、ありがとうございます。お言葉に甘えます。」
そう言って静かに目を閉じた。