隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
その男は、幼馴染の津川 圭。
彼女が愛おしいという優しい表情をする圭を茫然と眺めていると、そんな自分に気づいた圭が彼女の側を離れ声を掛けてきた。
「光、悪い。待たせたか?」
「あ、、あぁ、いや俺も今来たとこ。」
「、、俺?」
動揺し過ぎて咄嗟にこの格好で素の口調で話してしまい圭が驚いている。
「、、なんでもないわ。行きましょう?」
圭の腕にしがみ付いて、動揺しているのをバレないように微笑む。
いつもなら自然と受け入れる圭がやんわりの腕を解いてチラリと何処かに視線を向けた。
視線の先にはあの子の姿。
「、、圭?どうしたの?」
「いや、なんでもない。、、、時間が押してるから行くぞ。」