隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜


そう言うと足早にリビングを出て言ってしまった光さん。

何も意識していなかったが、よく考えたら男の人の部屋に泊まりたいだなんて凄いセリフだった。





光さんの言う通り、何かされても文句なんて言えない。

自分の無責任な発言に今更気づいて、真っ赤になってリビングに座り込んだ。

初めて圭くんの部屋に行った日も、そんな事を言われて彼には自ら手を伸ばした。

触れて欲しいと切に思った。





それなのにこんなに私を好きだと言って優しく接してくれる光さんに身体を許せるかと聞かれたら、、それはきっと無理だろう。

身体は許せないのに泊まらせろなんて酷く矛盾していて最低なオンナだ。




光さんがシャワーを浴びている間に急いで食器を洗い、自分の荷物をまとめた。


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