隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
「やっぱり類友ってやつだね。今日初めて会った俺のこと、そんなに簡単に信用しちゃうんだね?君が思っているようないい奴なんかじゃないよ、俺。今日は君に晶帆を託して退散するけど、また明日から仕事終わりに晶帆の事攫いに行く予定だから。諦める悪い方だから、そこんとこ宜しくね?」
そんな事を運転席から声を掛けてくる柿本さんを見て、思わず笑ってしまう。
「応援は出来ませんけど、邪魔もしません。当事者だけしか口出しできませんから。だから見守る事しかできません。」
「それは公平って事かな?」
「今日は送っていただいてありがとうございました。それに代金もお支払いさせてしまって、すみません。」
柿本さんの質問には答えずに、深く頭を下げて声を掛けた。
「いいえ、どう致しまして。じゃあ俺はこれで。もし晶帆の具合が急変するようなら連絡してくれる?時間は何時でも構わないから。」
そういって携帯の番号を渡された。
貰うか一瞬躊躇ったが、顔を上げると遥か彼方の方に車が行ってしまっていた。
貰った連絡先をポケットに閉まって、晶帆に声を掛けた。
「晶帆、起きて!鍵は何処にある?」
「、、ん?莉子、、ちゃん、、?鍵、、?」
「そう、鍵!今晶帆のアパートの前に着いたから取り敢えず中に入ろう?」