隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
「っ、、ですからっ、、!辞令の事ですよ!?二股で尚且つフリだったとしてもそれくらい聞いてたでしょ?!津川さんが社長の甥だったなんて、、。部長は部長でもまさか人事部の部長に昇進なんて凄すぎだし。只でさえ接触なんて殆どなかったのに昇進して更に雲の上の存在になっちゃうなんて。」
「、、え、、、、、?」
真美ちゃんの言葉に脳がフリーズする。
圭くんが人事部の部長に昇進、、?
、、、営業じゃなくて?
それに社長の甥、、?
「、、っ、、、ははっ、、そう、、なんだっ、、、それは、ビックリだね、、っ!津川さん凄い昇進だね。本当、、すごっ、、、っ、、、。」
「っ、、先輩、、?何で、、泣いて、、るんですか、、、?」
嬉しいのに、、圭くんが凄い昇進して嬉しい筈なのに何も聞かされてたかった事が感情の全てを支配して、、涙が止まらない。
私は何も知らなかった。
何一つ、、知らされてなかった。
「っ、、、、!」
涙を止めようと顔を両手で隠した。
これが現実だ。
彼と私の関係は只の〝偽りの関係〟できっとこの会社の誰よりも遠い遠い存在だったんだと思い知らされた。