硝子の花片
暁と恋心
あれから1週間。
沖田さんも平助くんも何事も無かったかのように明るく振る舞っている。
でも私にそんな器用な事は出来なかった。
平助くんを見れば赤面してタジタジになってしまう。
あの、「好きだよ。桜夜。」という囁く声が頭から離れない。
でもそれ以上に「桜夜は好きな人居るでしょ?」という平助くんの台詞が身体中をぐるぐる巡っている。
(…私にはまだ分からないのに平助くんには分かるっていうの…?)
「はぁ…。」
私は思わずため息をついた。
「あれ?この1週間ため息が多いですねぇ、桜夜さん。どうかしたんですか?」
文机に置かれた書きかけの手紙と対峙していた沖田さんが不思議そうに振り返った。
「ああ、いえ。平助くんに言われた事を考えていました…」
「へえ。何て言われたんです?」
沖田さんはキョトンとした顔で聞いた。
「ええ…それ聞いちゃいますか?」
私は思わず苦笑いを浮かべていた。…言うのが躊躇われたからだ。
「ええ?聞いちゃダメですか?」
沖田さんは首を傾げる。…その幼い子供のような仕草は可愛い以外の何者でも無く、私にダメージを負わせた。
「うう…実はですね…平助くんに好きだよって言われたんです。でも私には好きな人が居るんだから気にしないでって…」
私は途中涙目になりながら言った。
「…」
沖田さんは微動だにせず、まるで人形のように固まっていた。
(自分から聞いたのに…っ!)
私は頬を膨らませ、沖田さんの肩を揺さぶった。
「沖田さんが聞いたんじゃないですか!少しくらい反応してくれたっていいじゃないですかぁっ!?」
沖田さんも平助くんも何事も無かったかのように明るく振る舞っている。
でも私にそんな器用な事は出来なかった。
平助くんを見れば赤面してタジタジになってしまう。
あの、「好きだよ。桜夜。」という囁く声が頭から離れない。
でもそれ以上に「桜夜は好きな人居るでしょ?」という平助くんの台詞が身体中をぐるぐる巡っている。
(…私にはまだ分からないのに平助くんには分かるっていうの…?)
「はぁ…。」
私は思わずため息をついた。
「あれ?この1週間ため息が多いですねぇ、桜夜さん。どうかしたんですか?」
文机に置かれた書きかけの手紙と対峙していた沖田さんが不思議そうに振り返った。
「ああ、いえ。平助くんに言われた事を考えていました…」
「へえ。何て言われたんです?」
沖田さんはキョトンとした顔で聞いた。
「ええ…それ聞いちゃいますか?」
私は思わず苦笑いを浮かべていた。…言うのが躊躇われたからだ。
「ええ?聞いちゃダメですか?」
沖田さんは首を傾げる。…その幼い子供のような仕草は可愛い以外の何者でも無く、私にダメージを負わせた。
「うう…実はですね…平助くんに好きだよって言われたんです。でも私には好きな人が居るんだから気にしないでって…」
私は途中涙目になりながら言った。
「…」
沖田さんは微動だにせず、まるで人形のように固まっていた。
(自分から聞いたのに…っ!)
私は頬を膨らませ、沖田さんの肩を揺さぶった。
「沖田さんが聞いたんじゃないですか!少しくらい反応してくれたっていいじゃないですかぁっ!?」