暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
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少し色あせた薄緑色のドアを開けると、昔から変わらない懐かしい家の匂いを感じた。
取りあえず荷物をソファーの横に置くと、休む暇もなくお父さんの居ると言う寝室へ向かう。
____ガチャ。
「お父さん、腰の様子はどうー?」
恐らくグッタリとベッドの上で横たわっているであろうお父さんへドアを開けると同時に声を掛けてみると、
そこには意外な人物もおり思わず私はその場に立ち尽くし驚きの声をあげてしまった。
「……………エレナお姉ちゃん!!?」
まだ時刻はお昼頃……………………今頃大学にいるはずなのに。
「あら、アニ帰ってたの?お帰り〜」
「え、あ……ただいま!………………じゃなくて!!!エレナお姉ちゃん学校は!?」
まさか大学を休まないといけないほど、お父さんのぎっくり腰は重症とか……………っ!!?
ベッドに横たわるお父さんを見てみると、確かに重症な感じがしなくともないような………………。
深刻な顔をする私を見て思ってる事を察したのかエレナお姉ちゃんは軽くため息をついた。
「………あのね。何か誤解している様子だから言っておくけど、アニが想像してるのは絶対に違うから」
「………へ?」
「単位数足りてるから今日は午前中で終わりだったのよ。お父さんがこうなってるからついでにお手伝いしてるだけ」
「そ、そうだったんだね!!」
どうやら私の勘違いだったみたい。
それはまぁ良いとして…………お父さんの腰を直さないとね!
「お父さん腰の具合はどう?」
私はベッドの上で横たわっているお父さんに近づいて横から声をかけると、
「歳のせいか……痛みが長引いてね。お医者からは1週間安静にと言われたよ……」
痛そうに顔を歪めたお父さんはそう言って苦笑した。