暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
取りあえず一段落ついたところで私はドアの近くで待機していたクレハに声をかけると、
私が部屋に入ってきた時に気づいていなかったらしくて、エレナお姉ちゃんが驚きの声を上げた。
「アニ、それ誰!??いつからそこにいたの!?」
「あ〜…………この人は同じ部署のクレハ。視察に付き添ってくれることになったの!」
「へぇ…………ってことは宮殿から来たのね。見た感じ使用人ではなさそうだし、何の係なの?」
エレナお姉ちゃんはそう言いながら、上から下まで観察するようにじっくり眺める。
観察力が優れているのか、それとも単にパッと見た感じで言っているのか。
クレハが使用人ではない事は確かなので、全てを見破られそうで内心ヒヤッとした。
「宮殿の騎士様なの。私だけだと族に襲われたとき大変でしょう?宮殿にも迷惑をかける事になるし、それを防ぐ為にバティーを組まされたのよ」
「へぇ〜!騎士様だったのね。確かに体付きがしっかりしてるし、どことなく威圧的なものも感じるわ」
私の説明にお姉ちゃんは顎に右手をあてて、納得する素振りをした。
確かにお姉ちゃんの言う通りクレハは見た目こそ細身に見えるが、よく観察すれば厳しい訓練により鍛え上げられた筋肉量の高いしっかりとした体がみて分かる。