暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】


____ガチャ……。


年に数回の滞在でしか使わない私の部屋は、久しぶりにも関わらずいつものように綺麗に片付いており、


「えっと……………じゃあ、ここに置こうか」


机の横にいい感じの隙間を見つけた私がそう言って茶色い箱型の鞄をそこに置くと、クレハも同じように荷物をそこへ置いた。


残念ながら部屋の窓から見える外の景色は森しか見えないが、最近宮殿の素敵な景色ばかり眺めていた私にとってこういった自然の景色は一段と魅力的に感じ、



不思議と心が踊る。



「………お妃様。雑用など私(わたくし)がしっかりと致しますのでご心配にならないでください」




「貴方はまだ言っているので………。ここでは特別扱いなどしないでよいと言ったのに。同僚のように接して。それと、自室とは言えどこで聞かれてるかも分からない。だから、お妃様とは呼ばないで」


前に帰省したとき、エレナお姉ちゃんの部屋で会話をしていると騒がしいと弟のグラントが入ってきた事が前にあった。



案外近くに聞こえるのかもしれない。



「取りあえずお父さんの治療も済んだことだし、視察へ向かう?」

「そうしてもいいのですか?」


「えぇ。時間もある事だし、町の視察も国にとって大事な事。私も知っておかないといけないわ」


帰ってきた時には町に行かせてもらってるんだけど、やはり長時間いすぎると危ないと言うことで、


正直回れていないとこもある。


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