暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
今回はそこを重点的に回れたら良いのだけれど……………。
「あれ?どっか行くの?」
1階へ下りるとソファーの上に腰を下ろしたエレナお姉ちゃんが声をかけてきた。
「うん。早速視察へ行ってくる」
「あ〜……確か始めに言ってたね。どこ回るかもう決めたの?」
「具体的にはまだ……………。いつも回れていないところに行けたら良いかなって思ってるけど、どこか良い場所ある?」
その町の大学に通っているエレナお姉ちゃんなら、どこか回った方が良いところを知っていそう。
現に帰省したら美味しい飲食店へ連れて行ってもらっているので、そういった面ではかなり詳しいと思うけれど…………………。
お姉ちゃんからの言葉をジッと待っていると、予想外の返事が返ってきた。
「じゃあさ………グラントのとこに行けば?」
「…………………え?」
グラントのとこにって…………………まさか。
「学校に………っ!?」
「うん。行ったことないでしょう?」
「確かにないけど……………」
「アニは高校どころか中学にも行けていないでしょう?せっかくなら雰囲気だけでも堪能しておいで」
確かに…………………学園生活というのは少し気になってはいた。
行けなかったところへの憧れはもちろんあるし、もし私が学校に行っていたらどうなっていたのだろう…………とか思ったことも過去にあった。
だけどそれは過去の話で今ではないけれど………………見れるものなら一度だけ見ておきたい!!
「あ、連絡とか入れた方がいいよね?急に行って不法侵入扱いされても困るし………」
「それなら話はつけてあるわ。アニなら行くだろうと思ってね」
まさか行動を読まれていたなんて思っていなかった私はつい目を見開いて驚いてしまった。
「グラントにはアニが来ること知らせていないけれど、理事長先生には話つけてあるから、まずは理事長室へ向かうといいわ」
エレナお姉ちゃんはそう言うと学校の案内図が記されたパンフレットを手渡してきた。
どうやら外部生徒や新入生向けの学校紹介用のパンフレットの様で、色んな特徴が載っている。
学校理念に………部活動に…………年間行事やら色々。
とても充実し楽しそうな学校だ。
「なんか今日は月に2回の外部講師による剣術訓練の日みたいだし、いい見学になると思うわ」
「エレナお姉ちゃんありがとう……!!」
私は早速クレハを引き連れてグラントのいる学校へ向かう事にした。