暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
「はい。お妃様にご報告がございます」
ご報告……?
「一体何かしら?」
「私(わたくし)、クレハ・アリス・エラストマーはこの度、皇帝陛下の命により第二騎士団団長及びお妃様……いえ、皇后様の護衛役に任命されましたのでこの場で大変申し訳ございませんがご挨拶申し上げます」
クレハはそういうと私に向かって深々とお辞儀をした。
クレハが私の……護衛役!!?
「それは本当なの?」
「さようでございます。先ほど陛下よりそのように命を頂きました」
最近異様に周りの警備が厳しくなったけれど、信頼できるクレハがいつも側にいてくれるのならだいぶ心強く感じる。
「一応第二騎士団団長ではございますが、主にこちらを担当させて頂く形となります。しかし、大変申し訳ございませんが第二騎士団としての仕事が入った場合に関しましてはそちらに向かわせて頂きたく思うのですが、どうか許可を頂けないでしょうか?」
「構わないわ。仕事がある場合には気にせず騎士団として向かいなさい。そして時間のある時に顔を見せてくれたら良いから…」
第二騎士団の団長を私専属として拘束するのは何だか気が引ける。
というか私には勿体ない感じがする。