暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】

「お心遣い痛み入ります」

「話は変わるけれど、春期志願合格者が今日から仕事を開始したのね。新しくメイド入りした子がラディカルメイド長に連れられ挨拶に来たわ」


今年もメイドとして入ってくる子達の数は多く、新しく入った子達の中で側近部に配属された子は残念ながら一人も居なかった。

唯一側近部に移動を言い渡されたのはリリアンぐらい。

そしてリリアンが元私付きのメイドであったからか、私につけば上に昇進できると勘違いした子達が私にお会いしたいと部屋まで押し寄せ大変であった……。

サニーに頼んで部屋まで来ないように話してもらったのだけど、それでも諦めきれない子がいるようで近くを護衛してくれる兵士達が何とか頑張ってくれているみたい。

リリアンにも被害が行くかと思ったのだけど、持ち前の強さと明るさ、そして悪に染まらない心で、何とか側近部でもやっていけていると、アイルが言っていた。

リリアンが周りから変な事をされないようにとアイルには見張り役と指導係を頼んだのだが、手を出すまででもなかったとも言っていたし、


リリアンは一体相手に何をしたのだろうか……。

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