暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
「では、今からこの生徒が対戦致します」
「え、俺今からコイツと戦うの?笑」
先生のそんな声にグラントは苦笑してみせた。
何か言いたげに見えたがそれはいつものことなのか、外部の先生に無視される。
「では、互いに構え!!」
その緊張感溢れる声にグラントも観念したのか渋々木の棒を構える。
そういえばグラントは剣術に優れていると聞いたがそれを目の当たりにするのは初めてかもしれない。
街で攫われた時には私を探し出し腰にぶら下げた剣で守ってくれたが、あの時は本当に身の危険を感じた為に、それどころではなかっから……………。
「……………………始め!!!!」
少し間があいた後開始を告げる声が発しられたと同時に、周りの声援が2人を包んだ。
「やれー!!!」
「グラントを倒すんだ!!」
……………と言っても何故か大半は弟を倒せという言葉なのだが。
流石にちょっと酷いよね……っ!?
「グラント!!頑張れー!!!」
「アニーナさん……っ…そんな大声出されるのは……」
「今はいいの!!頑張れーーー!!」
周りに負けぬよう大きな声で応援する私にクレハは戸惑いつつも、私はグラントに応援し続けた。
お妃であろう者が大きな声を出すなど、はしたない事とされているのでクレハは戸惑ったのだろうが、
誰も声援をグラントに送らないのは何かカチンとくる。