暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
「あの……………ここは?」
「知りたい?ここは……"死の牢屋"」
「死の…………牢屋?」
いかにも危なさそうな名前だ。
「ここに落ちた人はどのみち死ぬ………。仮に兵士が立入ってもバレないように上手く仕掛けされていて、上手く引っ掛かった女がどんどんここへ落ちてくる。まるで蜘蛛の巣のよう…………」
そういう女の人の瞳には希望なんてなかった。
「美人は貴族に売られ、そうでないものは奴隷として売られる。どのみち私達は幸せにはなれない」
つまりさっき言っていた『死』というのは、精神的もしくは社会的な意味で死なのかもしれない。
「貴女はまだ良い方よ。顔が整っているから恐らく貴族に売られるでしょうね……。でも、どのみち皆幸せな気持ちでここから出る事はないわ。そう、皆……………」
きっと何かあったのだろう。
次第に表情は暗くなる。
「入ってきたら入り口から外へ出れないかしら?」
「無理よ。アタシ達も試したけれどそもそも上には登れない。この部屋にも一つだけ出入り口があるけれど、それは外からしか開かない仕掛けになっているらしいわ」
つまり一度入ったら呼ばれるまで外に出れず、仮に呼ばれたとしても受け待つのは売られるのみってことか……。
取りあえず人身売買の情報は得られたんだけど、ここから出れなければ意味ないし、とんでもないところに落ちてしまったみたい。