暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
それに誰の目にも触れられずに外へだなんて行ける訳もない。
「本当に知らないのか?」
「えぇ!」
この店員の女はやけに怪しく見えるが確信的なものはないし……………あの位置だと監視カメラには映っていないだろう。
せめて身分を明かし他の兵士や騎士を引き連れ乗り込めれば、一つぐらいは証拠を掴めそうなのだが、
今回は内密の視察と言うことになっているのでそうするわけにもいかない。
だとすると一人でコッソリ探すしかなさそうだ。
「…………そうか、色々とすまなかった」
クレハは取りあえずアニーナ分の荷物を席に戻り手に持つと自分の手持ちからお会計を済ませ外へ出た。
一方お店では…………
「客が騒ぐという事はまた一人下へ落ちたようだな…」
「ええ。見たところ2〜3人ですかね。閉店後でも様子を伺いに行きましょうか」
「あぁ、そうしよう。そろそろ連携して売らねぇと、上も怒って見放してしまう可能性があるからな。そしたら守って貰えねぇや」
「結構周りから苦情が来ているようですが、今消えた事実をもみ消しこのお店を守ってもらえてるのは、その人のおかげですからね」
「本当いつも助かってるよ。これほどいい商売は他にないからね」
そう言うとその男はワハハと陽気に笑う。
「さ、仕事を再開しようか!」
「えぇ!」
空気を入れ替えるようにパンッ…!と両手を合わせたその男は、
次の料理を作り始めた。