暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】
一度外へ出たクレハは女性用お手洗い場のある裏へと回ると、
開いていた窓から中に誰もいない事を確認した後、室内へ慎重に入り込んだ。
いつ他の客や従業員が来るか分からない緊張感を感じつつ、証拠を探していく。
一見変なトラップが仕掛けられているようには見えず、地面もしっかりとしていて隠れ部屋があるようには見えない。
それに窓の外は伸びきった雑草らが邪魔をし、お手洗い場の中から外へ出ようとはまず思えない。
「………………だとするとなぜ皆消えるんだ?」
変な仕掛けはないのに…………………次々と消える女たち。
お手洗い場に行っても消えていない女を見ると、まるで人を選んでいるのかさえ思ってしまう。
「ここにも……ないか。…………………ん?」
何かないか個室内を一つひとつ捜索していると、ドアに貼り付けられた広告らしき紙に目がとまった。
それには『バイト募集中!!850円〜』と書かれてあったのだが、薄っすらその裏に何かあるような違和感にクレハは紙を裏返す。
「……………これは」
そこには赤い口紅で記された文字が書かれており、文章の先頭にアニーナと書かれていることにクレハは気づいた。