クールな御曹司の甘すぎる独占愛
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花いかだに卸す商品の手配や店に並べる商品作りを終え、開店時間を迎えた午前十一時。オープンと同時に店に入って来た人物を見て、奈々の顔が凍りつく。
「こんにちは」
どこか挑戦的な態度で挨拶をしたのはミヤビだった。
つばが広い女優帽を被り、昨夜同様にサングラスをしている。胸下をリボンできゅっと結んだ黒いカシュクールのワンピースは、真っ赤なパンプスとデザインに特徴のあるハンドバッグがエレガントな装いに花を添える。
どこをどう隠しても、普通の人とは違う雰囲気。そのオーラに圧倒されずにはいられない。
その証拠に、明美はこの前のように黄色い歓声も上げられずに、奈々の隣で背筋を伸ばした。
「いらっしゃいませ」
なにごともなかったかのように挨拶をする奈々を見て、ミヤビは片方の眉を不服そうに吊り上げる。
「私がなににここへ来たか、わかる?」