クールな御曹司の甘すぎる独占愛
刻一刻と過ぎていく時間。ミヤビが示したタイムリミットの七時まで、あと二分を切った。
七時が過ぎても、きっとなにも起こらない。祈りにも近い思いで時計を見つめ続けた。
長針が十二に重なる。午後七時。その時を迎えても、奈々のいる世界になんら変化はない。
「ほらね? なにも変わらないもの。大丈夫よ」
ひとり言を言いながら笑顔を浮かべてみる。そうしながらも、確認せずにはいられない。スマホを取り出し、ミヤビのSNSを検索する。トップに出てきたリンクをタップすると、奈々のよく知るものが写っている写真がアップされていた。
《見た目はかわいいのに、味にはがっかり。もう二度と食べたくないもののリストに追加でーす》
そんなコメントが光風堂の和菓子の写真付きで掲載。すでに“いいね”は数百を超えている。ミヤビはあっさりと実行に移したのだ。
「こんなのひどい……」
スマホをもつ奈々の手は、これまで経験したことのないほどに震えた。